< DPI日本会議への募金を後悔 ~臓器移植法改正反対の政治活動を知って~ kenji145のひとり言日記
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DPI日本会議への募金を後悔 ~臓器移植法改正反対の政治活動を知って~
 前回のアクセス募金で、「障害をもつ人の権利をまもるために!」に1万円募金しました。募金先の団体は「特定非営利活動法人DPI日本会議」ですが、この内容を見たところ、就職とか生活とか、身の回りのことに対しての障がい者からの相談業務を行うものだと思っていました。そういう地域での活動のみに使われるものだと思っていましたが、ちょっと気になる話を聞いてがっかりしています。
 というのは、このDPI日本会議は「臓器移植法「改正」に反対する緊急声明」というものを出しています。それを持って先週、国会を回っていたのだそうです。しかもその方法が、車椅子の障がい者を連れて、障がい者の方に「障がい者は意思表示ができないから反対」などと言わせていたのだそうです。言える時点で意思表示ができているように思えますが…。臓器移植法改正は言うまでもなく障がい者だけを対象としたものではなく、障がい者も健常者と同じ立ち位置にあります。その中で障がいをもっていることによる意思表示のしにくさがあるのなら、例えば点字によるパンフレット等の作成や知的障がい者向けのセミナーなど障がいの別に応じた周知徹底を求める等行えばよいのではないでしょうか。意思表示カードの普及をいかに行うかという問題であり、障がい者についてはその環境が整うまではきちんとした意思表示ができないので凍結するなどの手法も可能だと思います。何か障がい者がいかにも臓器提供の供給口になるかのような懸念は全くの的外れですし、そのような発想に基づく行動は障がい者の地位をかえって貶めることになってしまうような気がしてなりません。ともかく、地域で障がい者一人一人の暮らしのための活動を行っているかと思いきや、こういった政治的な活動に募金が使われてしまったのではないかと思うと、前回募金したことを強く後悔してしまいます。

各論について
(1)

「脳死」については世界の色々な実例から見ても明らかなように脳死と診断をされながら十何年も生き続けた事例や、時間が経って意識が戻り周りの人たちの声が聞こえていた等という症例まである。心臓が動き、まだ暖かい体温のある人間を「死」と決めつけ臓器を取り出すことはどうしても納得が出来ない。


 こういう話は植物状態と脳死状態、あるいは臨床的脳死状態と法的脳死状態との混同が(新聞記者も含めて)あると言われています。こういう専門的な問題は素人の話を聞くよりも専門家の考えが重要だと思います。

A案支持を表明…日本医学会(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090528-OYT8T00297.htm

 日本医学会 臓器移植法改正論議を巡り、医学・医療系の107の学会が加盟する日本医学会(高久史麿会長)は27日、脳死を一律に人の死と規定するA案を支持すると表明した。同学会の加盟学会を対象としたアンケートで、回答の7割がA案賛成だったことを受けた。同学会は今月18~22日、加盟団体にA案に対する賛否を尋ねた。回答した64学会のうち46学会(72%)がA案に賛成を表明。反対はなく、「その他」が13学会(20%)、「保留」が5学会(8%)だった。


臓器移植法改正、医師会「採決を」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090315-OYT8T00314.htm

 日本医師会と日本移植学会など24学会・研究会で作る「臓器移植関連学会協議会」は14日、東京都内で記者会見し、15歳未満の脳死下での臓器提供を可能にする臓器移植法改正案を、今国会中に採決するよう訴えた。近く全国会議員に要望書を送付する。
 日本医師会の宮崎秀樹参与は、「国の世論調査では過半数の国民が、『小児からの臓器提供を認めるべきだ』と考えている。法改正の条件は整っている」と強調した。
 患者団体も4月14日、国会議員に同法改正を訴える集会を都内で開く予定。


 「脳死」状態にある人を「人の死」と定義する時、「回復しても障害が残る」等の障害者の命を軽視する価値観が潜んでいるのではないかとの疑念が生じる。
 生きる可能性を尊重される命と、生きる可能性を全否定される命を選別することは、紛れもない優生思想であり、障害者の人権尊重の立場からは到底認められない。


 そんなことを誰が考えているのでしょうか?かなりズレていると思います。臓器移植を受けた際に障がいを負う可能性も当然あります。もし「障害者の命を軽視する価値観が潜んでいる」のなら、障がいを負う可能性のある臓器移植を認めようとはしないのではないでしょうか。障がいが残ろうがどうなろうが、回復できる命を1つでも増やしたい。その考えはA案賛成者も、子ども脳死臨調設置法案賛成者も、立ち位置は違えども同じだと思います。

(2)

特に今回の改正の動きは、WHOでの外国渡航による臓器移植制限の動きを背景にして、ドナーの年齢引き下げや「脳死」の定義拡大を図るためのものであり、私たちとしては容認できない。


 なぜ容認できないのかが書いてありません。海外からの圧力が納得いかないというだけでしょうか。

 これまで障害者は「自らの意志をもたない」との偏見のもとに長い間おかれ、その主体的な意志を無視され続けてきた歴史がある。また、重度障害があるために、時には自らの意志を伝達することが、障害のない者の「通常」の方法では困難な状況になることもありうる、そうした立場から、私たちは大きな恐怖すら感じざるを得ない。
 特に、最近の福祉・医療の財政抑制が続いてきている日本の社会状況を前にする時、私たちの命が軽く見られ、何時、治療停止や一方的に「ドナー」にされるか分からない時代が到来する、その予兆として懸念するものである。


 “障害のない者の「通常」の方法”ではない、障がいを持つ方々の障がいに応じた意思表示の方法をいかにするかを検討すべきではないでしょうか。

(3)

今求められているのは、「他人の死」を前提にするのではなく、どんなに重度の障害や難病等があっても生き抜いていけるための適切な医療を確保することである。また、「障害=不幸」との差別意識の根深さの背景には、社会的な支援体制の欠如がある。どんな障害があっても、一人の人間として自立して当たり前に地域で暮らせる介護等福祉サービスの充実を進めていくことが必要である。


 医療や障がい者政策の充実は行うべきですが、臓器移植とは別問題です。よくある「子どもを脳死にさせない医療体制作りの方が大切」という話も、小児医療体制の充実は当然重要でやるべきですが、臓器移植の問題と二者択一で、どちらかをやったらどちらかができなくなるという問題ではありません。なお、改正しないことで確実に生まれる「他人の死」はどう考えるのでしょうか。

(4)

 国連では2006年12月に障害者権利条約が採択され、2008年5月に正式発効している。わが国においても、その批准に向けた国内法の整備が火急の課題となってきている。障害者権利条約の基本精神は、「私たち抜きに、私たちのことを決めないで!(Nothing About Us, Without Us!)」である。
 そうした点からも、私たち障害当事者の人間の命の平等性を守る立場からの意見を十分ふまえた上での対応を強く求めるものである。


 障がい者政策に障がい当事者の意見を反映させていくのは当然で賛成します。ただ、この臓器移植の問題については、障がい者の当事者度合いは健常者とほとんど全く同じではないでしょうか。その中で意思表示に特殊性を認めるなら、意思表示カードの普及方法の場面で障がい者や障がい者団体の意見をしっかりと聞いていく必要があると思います。


募金・サイト更新 | 【2009-07-08(Wed) 13:07:49】
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コメント

脳死からの臓器移植は、人間の『生:ドナー』を無視し、『死に行くはずの者:レシピアント』の運命を無視している。
心停止後も蘇生措置を施すべきだし、臓器移植しか生きる道のない者に『死を受け入れさせる』べきだ。
2010-08-31 火 06:21:48 | URL | Hippocrates #- [ 編集]

脳死と臓器移植の問題は、個々人の死生観に大きく左右されるものです。
脳死を死と認めないという価値観・宗教観は尊重されるべきですし、現に今回の改正臓器移植法でも尊重されています。
ただ、同じように逆の価値観・宗教観も尊重されるべきで、お互いに脳死を死と認め、医学の進歩を信じ臓器移植で生きられる命をと
願っている方々に対し、「死を受け入れさせる」というのはちょっとおかしいと私は思います。
2010-09-01 水 10:33:06 | URL | kenji145 #MgXvyZ2Y [ 編集]
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